映画やドラマで「ああ、美味しそう!」って思ったり、悲しい時に何かを食べて元気が出たり、そんなシーンの裏側にはフードスタイリスト飯島奈美さんのお名前をよく見かけます。福田利之さんは、飯島さんのレシピ本の挿画などを手がけており、飯島さんのご飯のファンの1人でもあります。今回は、キッチンリネンを初めて手がけた福田さんが、tenp04を飯島さんに見せに行く、というお話。どんなご意見が飛び出すのでしょうか。
vol.02 飯島奈美さん+福田利之
福田 布を使って、いままでにないデザインのものが作れないか、といろいろプロダクトを作っていて。今回はリネンに挑戦してみたんです。商品は後で見ていただくとして、飯島さんはどんなリネンが好きですか?
飯島 そうですね。前にフィンランドに行った時、業務用のスーパーみたいなところで、すごく大きな2枚重ねのガーゼふきんがあったんですが、それは何でも拭けるので、便利だなと思ったことがありますね。
福田 えっ! フィンランドでガーゼがあったんですか?
飯島 ええ、普通に。業務用のスーパーでしたけど。
福田 実は、フィンランドで今度展示をするので、tenp01のガーゼを持っていきたいと思っていたら、フィンランドではガーゼはほとんど使わないって言われて。だったらリネンがいいかなと思って、今回リネン素材で作ることにしたんです。あれ? 根底から覆されてしまった感が……(苦笑)。
飯島 いや、いいんじゃないですか、リネンで(笑)。でも、ほんとにかなり大きな白いガーゼで、便利でしたよ。
福田 はい、そういうことにします(笑)。でも、その時聞いたら、フィンランドの人たちは食器を拭く時にガシガシ使うので、ガーゼだと柔らかすぎて心もとないっていう理由だそうで。で、サウナで使うサウナリネンっていうのがあって。それがベースになってるから、フィンランドでは、布っていうとリネンっていうイメージらしいんですよ。
飯島 確かにフィンランドのお土産に、リネンはよくあります。お隣のエストニアで作られたリネンが多いような気もしますね。
福田 エストニアだと安いみたいです。フィンランドも昔はリネンをたくさん作っていたらしいんですけど、もう今はほとんどがエストニア産になっていて。でもせっかくなのでフィンランドリネンで作ろうと思っていて。
飯島 フィンランドリネンっていうものがあるんですか?
福田 あるんです。LAPUANKANKURIT(ラプアンカンクリ)っていうところと、Jokipiin Pellava(ヨキピン・ペラーヴァ)ぐらいのようです。ラプアンカンクリはわりとお洒落なものを作っているんですが、ヨキピンの方はちょっと垢抜けない感じ。でもそこがフィンランドっぽくいていいなあと思ってお願いしました。
飯島 ガーゼがいいって言っておきながら、リネンもすごく好きなんですよ。ガーゼの場合は使っていくと汚れた感じになっちゃうけど、リネンの場合は柔らかくいい風合いになって味が出てくる。水の吸い込みもよくなってきたりしますよね。刺し子とかも綿で縫ってあると、縫い目が細かい方が吸水性が高い。
福田 なるほど。強度を増してるだけじゃなくて、吸水性もいいんですね。キッチンでガンガン使って欲しいです。
飯島 ランチョンマットみたいにして使っても可愛いですよね。
福田 いいと思います。(tenp04エアメールを見せながら)これはどう思いますか?